2016年2月24日(水):日程が変更されました
16:30 - 17:30
Information geometry and its applications
講演者:曹 麗梅 氏 (北京科技大学)
Information geometry based on differential geometry have played very important role, applying in various fields. Introducing the dual connection and the distance-divergence is the key to construct the theory of information geometry. For the Random phenomenon, information geometry have been used to solve various problems. Contrast to other cases, this note introduces Lie group and the set of the positive definite matrices to construct the geometric structures of information geometry.
世話人:栗林 勝彦
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2016年2月15日(金)
16:20 - 17:50
光で操る:動物が持つ光センサータンパク質の多様性と利用
講演者:寺北 明久氏 (大阪市立大学大学院理学研究科 教授)
光を捉え,形や色を見る視覚情報として利用したり,生体リズムの光調節などの視覚以外の機能調節(非視覚)等に利用している。これまでに,数千のオプシンがさまざまな動物に同定され,動物は複数種類のオプシンを持つことが明らかになった。例えば,ヒトは9種類のオプシン遺伝子を持つ。なぜ,動物は多様なオプシンを持つのかに興味を持ち,それぞれのオプシンの分子特性が,どのように,どれぐらい“機能”に貢献しているのかを解析している。講演では,「光で行動を操る」解析の結果から,オプシンの分子特性(分光感度)がハエトリグモの奥行き知覚(距離測定)に意外な貢献をしていることを紹介する。また,オプシンを神経細胞に導入し動物の行動を「光で操る」,オプシンの “利用”についてもふれたい。
キーワード:視覚,奥行き知覚,光受容タンパク質,光遺伝学
講師の研究分野(研究テーマ):分子生理学,光生物学
世話人:浅見崇比呂(理学科・生物学)
会場:第8講義室(理学部講義棟3階)


2016年1月8日(金)
16:20 - 17:50
 「音響キャビテーションにおける広帯域雑音
         -カオス的気泡振動より重要な気泡数の時間変動-」
講演者:安井 久一氏 (産業技術総合研究所 中部センター 主任研究員)
強力な超音波を液体に照射すると、液体に溶解していた気体が多数の気泡として現れ、超音波の圧力振動によって、膨張と収縮(圧壊)を繰り返す。これを音響キャビテーションという。それぞれの気泡は、膨張、収縮という振動によって、周囲に音波を放射する。この音波を、音響キャビテーション・ノイズという。超音波強度を徐々に上げていくと、観測される音波の周波数スペクトルは、駆動超音波の周波数成分だけである状態から、高調波が見られるようになる。その後、分調波、超高調波が生じ、最後に広帯域雑音が生じると言われている。気泡の膨張、収縮は、Rayleigh-Plesset方程式という非線形方程式で記述されるため、上記の周波数スペクトルの変化は、気泡振動の決定論的カオスに対応するものとして、理解されてきた。ところが、我々が、今まで無視されていた気泡数の時間変動を考慮して、音響キャビテーション・ノイズの数値シミュレーションを行ったところ、気泡のカオス的振動 (非周期振動)よりも、気泡数の乱雑な時間変動の方が、広帯域雑音のメカニズムとして重要であることが分かった。
キーワード:音響キャビテーション,気泡の膨張・収縮,広帯域雑音,数値シミュレーション,カオス的気泡振動,気泡数の時間変動、Rayleigh-Plesset方程式
講師の研究分野(研究テーマ):物理学、数値シミュレーション, ソノケミストリー,ソノルミネッセンス,ナノクリスタル,熱音響,超音波,微細気泡(ファインバブル)
世話人:浜崎亜富・金継業(理学科・化学)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2015年12月21日(月)
16:20 - 17:50
縞状堆積物とその解析
講演者:石原 与四郎氏 (福岡大学理学部地球圏科学科・助教)
湖や深海,洞窟などの静穏な環境で形成された地層には,しばしばリズミカルな縞や互層が認められる.このような縞や互層を成す堆積物のうち,1年に1組の層が形成されるものを年縞堆積物と呼び,その層の数そのものが年輪のような年代軸として扱えることから過去の環境を解析する上での強力な指標となっている.たとえば,現世の湖成堆積物の年縞に挟在される異質な堆積物は歴史上の地震や洪水,火山噴火等の各種イベントとの対比がなされていたり,鍾乳石の一種である石筍からは,年縞とは別に測定された分析結果から地表の植生の変遷や古気温等が得られていたりする.一方,このような堆積物を解析する上では,年縞の形成モデルの検討や,年縞の認識・認定それから測定が必要となる.認定や測定は,以前は顕微鏡下で肉眼によって判定しながら行われることが多かったが,再現性や計測時間の問題から近年では堆積物のスキャン画像や分析画像などを用い,画像解析を利用することが多くなってきた.本講演では,湖成の年縞堆積物と石筍の年縞の例について,堆積物の形成過程,画像解析を用いた年縞の認定・測定方法,解析結果の例を示し,このような研究において残された問題点についても紹介する.
キーワード:年縞堆積物,イベント堆積物,画像解析,周期解析
講師の研究分野(研究テーマ):地質学・堆積学(タービダイトに関する研究,浅層 地下地質・地盤に関する研究,湖成層や石筍等の年縞堆積物に関する研究等)
世話人:村越直美(理学科・物質循環学)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2015年11月6日(金)
16:20 - 17:50
リモートセンシング画像データの解析手法
講演者:川田 剛之氏 (金沢工業大学情報フロンティア学部教授)
初期の衛星リモートセンシングデータ解析は衛星センサが出力する相対的デジタル値を用いた地球表面画像の計算機処理技術の開発や画像処理技術を中心とする定性的データ解析がリモートセンシング研究の中心となっていた。しかし、現在では、地球大気や地表面の物理的モデルを利用して地球物理学的なパラメータを抽出するアルゴリズム開発に研究の重点が移っている。 ここでは、講演者が実施したPOLDER画像データを利用した大気エアロゾルの光学特性パラメータを抽出する手法とその結果などについて述べる。この解析で使われるのは大気中における光の多重散乱理論と地球大気・地表系モデルである。既知の入力エネルギー(大気表面への太陽放射照度)を用いて、地球大気・地表系モデルにおける光の多重散乱計算により、衛星センサに到達する理論的放射輝度値をシミュレーションする。これを観測放射輝度値と比較することにより、地球大気・地表系モデルに含まれる未知のパラメータ量(エアロゾル光学特性)は推定可能となる。 リモートセンシングはいまや地球環境、農林、漁業、土木、防災、都市計画など各分野の様々な問題を定量的に広域調査・解析する手段として不可欠な技術となっている。最後に、講演者が最近興味を持って取り組んでいる航空機LiDAR点群データから3次元の都市空間環境を自動作成する研究について紹介する。
キーワード:多重散乱理論、大気エアロゾル、大気・地表系モデル
講師の研究分野(研究テーマ):大気散乱、衛星画像解析
世話人:井上和行(信州数理科学研究センター・数理)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2015年10月20日(火)
16:30 - 17:30
Embeddings of $L^p$-Sobolev spaces and Wiener amalgam spaces with some applications
講演者:Jayson Cunanan氏 (信州大学理学部)
Wiener amalgam spaces are modern spaces introduced by H.G. Feichtinger in time-frequency analysis. In this talk, we will discuss the inclusion properties of these spaces with $L^p$-Sobolev spaces. We will also show sharpness of the estimates arising in this inclusion . For applications, we have some Littlewood-Paley type estimates, and $L^p$ boundedness of pseudo-differential operators with symbols coming from modulation spaces $M^{\infty,1}\mathbb{R}^{2n}$.
世話人:筒井容平
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2015年10月13日(火)
16:00 - 17:30
共形ブートストラップにおける最近の進展について
講演者:大槻 知貴氏 (東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構)
近年、高次元の場の理論を調べる非摂動的な手法として、「共形ブート ストラップ」という手法が大変注目されています。驚くべきことに、この手法でもって3次元イジング模型など、非自明な高次元の場の理論が「解けた」と言われています。本講演では、この手法による「解」とはどのようなものであるかを理解することを目標にします。時間が許せば、(将来的に)どのような応用があるかも紹介したいと思います。
世話人:小竹 悟氏(理学科・物理学)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2015年4月16日(木)
16:30 - 17:30
Div- curl lemma with critical power weights in dimension three
講演者:筒井 容平氏 (信州大学理学部数学科)
T.B.A.
世話人:谷内靖
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)