群論と対称性 (8) 演習問題


成績評価はレポートによって行う。 以下の課題の中から最低で 1 問を選び、レポートを作成し提出すること。 レポートは LaTeX で作成し、そのソースと pdf ファイルの両方を添付ファイルとして hanaki@shinshu-u.ac.jp にメールで送ること。 締切りは 7 月 31 日 24:00 とする。 その際、Subject は「群論と対称性・レポート」とし、 学籍番号と氏名を本文に書くこと。 本人確認のため大学のメールアドレスから送ることが望ましい。

このレポートを作成するには文書中にプログラムやその実行結果を書くことになるであろう。 LaTeX でプログラムなどを書く場合には、インデントなどが無視されないように verbatim 環境などを用いるとよい。 また quote 環境などで適当に字下げをすると見やすい。 例えば以下のようになるであろう。

\documentclass[12pt]{article}
\begin{document}
C 言語のプログラムがちゃんと動くかどうかを確かめた。
プログラムは以下の通り。

\begin{quote}
\begin{verbatim}
#include <stdio.h>

int main(void) {
    printf("hello, world!\n");
}
\end{verbatim}
\end{quote}

実行結果は以下の通り。

\begin{quote}
\begin{verbatim}
$ gcc hello.c
$ ./a.out
hello, world!
\end{verbatim}
\end{quote}

プログラムがちゃんと動いていることが分かった。
\end{document}
プログラムで取り上げた問題の背景、どの様な入力に対してどの様な出力があるかなどのプログラムの仕様、 結果に対する考察なども書くとより良いレポートになるであろう。


演習問題

問題は A, B, C と難易度別になっている。 もちろん解答数の多いもの、選択した問題の難易度の高いものを高く評価する。

説明していないソフトウェアを利用する問題があるが、利用方法は各自で調べること。 インターネットで検索すれば色々と見つかるであろう。 また利用するソフトウェアが指定されているものについても、(C 言語によるプログラムを除いて) より適切なソフトウェアがある場合には、それを利用してもよい。


問 A1. (難易度 A)

C 言語で円周率の近似値を区分求積法によって求めるプログラムを書き、 実行の様子をまとめなさい。


問 A2. (難易度 A)

C 言語で円周率の近似値をモンテカルロ法によって求めるプログラムを書き、 実行の様子をまとめなさい。


問 A3. (難易度 A)

maxima を用いて以下の問題を解け。

  1. f(x)=x2 の x=1 から 2 までの積分を求めよ。
  2. z=x2-y2 の 3 次元グラフを書け。
  3. 適当な 3 次行列の逆行列を求めよ。
  4. 適当な微分方程式の解を求めよ。


問 A4. (難易度 A)

GAP で一般線形群 GL(2,3) を定義し、その主組成列を求めなさい。


問 A5. (難易度 A)

GAP (または C 言語) を使って 2p-1 の形の素数を p<100 の範囲ですべて求めなさい。


問 B1. (難易度 B)

(GAP を用いて) 6 次交代群 A6 の共役類の完全代表系を求めよ。 また A6 の類等式を書け。


問 B2. (難易度 B)

チェビシェフ多項式について調べ、その基本的な性質をまとめよ。 また (少なくとも) 4 次までのチェビシェフ多項式のグラフを gnuplot を用いて書け。


問 B3. (難易度 B)

GAP を用いて多項式のガロア群を求める方法を調べ、 それを実行しなさい。 特にガロア群が対称群にも交代群にもならない多項式を探しなさい。


問 B4. (難易度 B)

Macauley2 を使って適当な加群の自由分解を求めなさい。


問 B5. (難易度 B)

GAP または C 言語を使ってゴールドバッハの予想を (少なくとも) 1000 まで検証しなさい。


問 B6. (難易度 B)

RSA 暗号について解説し、GAP を用いてそれを実行する様子を示せ。


問 B7. (難易度 B)

コラッツの問題について調べ、GAP または C 言語を用いて (少なくとも) 1000 までの値に対して検証せよ。


問 B8. (難易度 B)

GAP を用いて、有限次元代数の radical series とその次元の列を計算せよ。


問 B9. (難易度 B)

与えられた正方行列に対して、その Jordan 標準形の求め方を書け。 (行列の成分や固有値はすべて有理数であるとして求めることができればよい。 maxima を利用するのが最も簡単だと思われる。)


問 C1. (難易度 C)

C 言語を用いて、実行時に与えられた自然数 n に対して、1 から n のすべての順列を出力するプログラムを書け。 (GAP や maxima を使うとどうなるかも調べてみると良いであろう。)


問 C2. (難易度 C)

C 言語を用いて、実行時に与えられた自然数 n と k に対して、 1 〜 n から k 個の値を取り出すすべての組合せを出力するプログラムを書け。 (GAP や maxima を使うとどうなるかも調べてみると良いであろう。)


問 C3. (難易度 C)

C 言語を用いて、実行時に与えられた自然数 n に対して、 n のすべての分割 (Young 図形) を出力するプログラムを書け。 n の分割とは、ある r に対して n=k1+...+kr, k1 ≧... ≧ kr≧ 1 をみたす 数列 k1,...,kr のことである。


問 C4. (難易度 C)

Gauss number を q の多項式として求めるプログラムを書け。 (Gauss number の定義は講義ノートを参照すること。)


問 C5. (難易度 C)

グレブナー基底 (Groebner basis) について調べ、GAP で実際に計算しなさい。 またそれを用いて ideal menbership problem を解きなさい。 (GAP でなく Risa/Asir を用いてもよい。)


問 C6. (難易度 C)

実正方行列に対して、その固有値を近似計算によって求めるプログラムをかけ。 また、非負既約行列に対して Perron-Fronbenius 根と対応する正の固有ベクトルを求めるプログラムをかけ。


問 D. (難易度 ?)

自分のセミナーでの研究に関する計算を GAP, maxima, C 言語などを用いて行い、 レポートとしてまとめよ。


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Akihide Hanaki (hanaki@shinshu-u.ac.jp)