How to Use SONY DPT-RP1 on Linux(SONY DPT-RP1をLinuxで使う方法)
電子ペーパーSONY DPT-RP1は数学者にとって便利な道具ですが,
残念なことにLinuxでファイルのやりとりができません。
Linuxでこれを扱う方法としては,仮想的にWindowsを動かしてその中で
DigitalPaperAppを使うのが最も簡単ですが,ここでは,Linux端末から
直接ファイルのやり取りをする方法を述べます。
以下を行う場合は自己責任でお願いします。
手順概要
- janten氏の作成したdpt-rp1-pyをインストールする。
- PC側のドキュメントを保存するフォルダ(例えば ~/Documents/DPT-RP1)に
deviceid.dat と privatekey.dat を保存する。
- ファイルの同期や削除を行うスクリプト(
Sync.py,
Delete.py
)を上のフォルダ(~/Documents/DPT-RP1)にダウンロードする。
- 同期(DPR-RP1とPCのディレクトリの同期)の方法:
\begin{align*}
\verb* ~/Documents/DPT-RP1$ python3 Sync.py *
\end{align*}
※PC,DPTRP1のファイルを互いに補完し合うのでファイルは削除されない。
- ファイルの更新方法:
PCとDPT-RP1のうち古いファイルを削除してから次を実行する:
\begin{align*}
\verb* ~/Documents/DPT-RP1$ python3 Sync.py *
\end{align*}
- ファイルの削除方法:
\begin{align*}
\verb* ~/Documents/DPT-RP1$ python3 Delete.py *
\end{align*}
※画面表示に従ってファイル指定することでPCとDPT-RP1の両方からPDFファイルを削除することができる。
dpt-rp1-pyのインストール方法
- (1) dpt-rp1-pyをダウンロードする
\begin{align*}
\verb* $ git clone https://github.com/janten/dpt-rp1-py.git*
\end{align*}
- (2) 必要なpythonのライブラリをもってくる
\begin{align*}
\verb* $ sudo apt install python3-setuptools *
\end{align*}
- (3) (1)でダウンロードしたプログラムのインストール
\begin{align*}
\verb* $ sudo python3 setup.py install *
\end{align*}
- (4) 鍵の入手
どこかのWindowsマシンでDigitalPaperAppをインストールしてからDPT-RP1を一回だけ接続する。
すると
ユーザー名/AppData/Roaming/Sony Corporation/Digital Paper App
というディレクトリができているので,そのサブフォルダのどこかにある
deviced.dat privatekey.dat
をコピーする。
- (5) DPT-RP1本体との接続
DPT-RP1の本体の設定でWi-Fiアクセスポイントにして,LinuxからDPT-RP1にWi-Fi接続する。
$ ping digitalpaper.local
で反応していればOK。このときDPT-RP1のIPアドレスが見える。
- (6) コンピューター(Linuxマシン)との通信の登録を行う
まず,dpt-rp1-pyのディレクトリにdeviceid.datとprivatekey.datをコピーしてから
\begin{align*}
\verb* $ dptrp1 --client-id deviceid.dat --key privatekey.dat --addr digitalpaper.local register *
\end{align*}
を実行する。エラーが出るが何回か繰り返す。私の場合は3回目でPINを入力してくださいという画面が現れたので,
本体に表示されているPINを入力する。
これで設定完了。dpt-rp1-pyのドキュメントにしたがってファイルの
ダウンロードやアップロード,削除などができるようになるが,毎回手で入力するのは
面倒くさいので,次の処理を実行する。
ファイルの同期を行うスクリプトの導入
- ダウンロード
\begin{align*}
& \verb* $ mkdir ~/Documents/DPT-RP1 * \\
& \verb* $ cd ~/Documents/DPT-RP1 * \\
& \verb* $ mkdir Document * \\
\end{align*}
上で使用した deviceid.dat privatekey.datを ~/Documents/DPT-RP1に保存する。
次の2つのファイルも同じフォルダに保存する。
DPT-RP1とPCのフォルダを同期させるプログラム(Sync.py)
DPR-RP1とPCの両方にあるファイルを削除するプログラム(Delete.py)
ダウンロードしたファイルを実行可能にする。
\begin{align*}
& \verb* $ chmod +x Sync.py* \\
& \verb* $ chmod +x Delete.py *
\end{align*}
上のファイルの使い方は次の通り
- 実行
\begin{align*}
& \verb* $ python3 Sync.py * \\
& \verb* $ python3 Delete.py *
\end{align*}
Sync.py はLinuxPC側のディレクトリを自動作成しないので,そのようなエラーメッセージが出たら,そのフォルダを自分で作成すればよい。
たとえば,Samples, Note といったディレクトリは~/Documents/DPT-RP1/Document の中には無いので自分で作成しておく。
他にも,ディレクトリがなければ自分で作成しなければならない。
Sync.pyはDPT-RP1とLinuxマシンの実行したディレクトリ(上の説明では~/Documents/DPT-RP1)で互いに存在しないファイルをコピーして
同じファイル構成にするプログラムです。ただし,ファイルの作成時間を確認しないので,ファイルが更新されることはありません。
PCかデバイスのどちらかのファイルが更新された場合,古いファイルを削除してからSync.pyを実行することにより,両方の端末でファイルが最新の状態になります。
Delete.pyを実行するとDPT-RP1とPCにあるファイルがリストアップされます。メッセージに従ってファイル番号を指定することで両方のデバイスからファイルが
削除されます。