局所トレース状態の端点について

本講演では1923年に証明されたBirkhoffの定理の拡張を考える. Birkhoffの定理は,二重確率行列全体の端点が必ず置換行列になるというもの だった. これに対し,2つの量子系の結合系上の状態で, 各量子系へ制限したものがトレース状態になっているもの(局所トレース状態) を考え, その局所トレース状態全体の端点について考察を行う.
 特に,この局所トレース状態全体の端点が,Birkhoffの定理とは異なり, 複雑な構造を持つことを述べ,端点の階数やエンタングルなどの性質について 未解決の問題も交えながら紹介する.