Hartree方程式の散乱作用素とその応用

Hartree方程式は、多体シュレーディンガー方程式の適当な近似として導出され、 非線型項には相互作用ポテンシャル$V(x)$が含まれる。大雑把に言えば、 $V(x)$がクーロンポテンシャルより強い減衰を持つとき、 方程式の解は適当な自由解に漸近することが示され、 更に強い結論として散乱作用素$S$が定義される。 本講演ではまず$S$が実際に定義できることを概説し、 $S$から未知なる$V(x)$を同定する応用問題を考察する。