半線型熱方程式の解の爆発時刻について アブストラクト

半線形熱方程式の初期値問題における爆発解に関する研究は1960年代に始まり、今もなお様々な研究者によってその解の性質の解明が進められている。特に無限遠方で減衰していない初期値に対する解は、時間大域的に存在せずに有限時刻で爆発する。その初期値の非減衰性の仮定は「全方向の無限遠方」に対して課す必要は無く、「ある方向のみの無限遠方」に対して課していれば、解は有限時刻で爆発することが知られている。本講演では、そういったある方向の無限遠方において減衰していない初期値に対して、その正値解が爆発する時刻を、指定された無限遠方での初期値を用いて評価することを目的とする。