非可換な代数上では、確率論における「独立性」に相当するものが 一意的に決まらず、様々なものが知られている。どの独立性に対しても、 確率変数の「キュムラント」概念を導入することができる。 その重要な性質は、複数の確率変数が独立であるかどうかをキュムラントが 消えるかどうかで判定できる点である。しかし「単調独立性」というものに 関しては、この性質を持つキュムラントは存在しない。そこで、単調独立性に 関しても適用可能となるようにキュムラント概念をうまく一般化することを考える。