線形代数学
もくじ
参考書
- 線形代数 (藤原毅夫; 岩波書店)
- 物理のための数学 (和達三樹; 岩波書店)
- 線型代数学 (佐武一郎; 裳華房)
- 線型代数入門 (斉藤正彦; 東京大学出版会)
- 線形代数:生態と意味 (森毅; 日本評論社)
- 線型代数演習 (斉藤正彦; 東京大学出版会)
1. は物理学者の立場から書かれた線型代数の本で理工系の学生には取り付きやすいと思います。
2. は理工系学部前半程度で使われる数学を非常に分かりやすく解説したもの。お勧め。
3. と 4. は線型代数学のきっちりした教科書。理工系の大学生ならばこのくらいは是非とも読破して下さい。
5. はかなり型破りな本です。或る程度の力のある人が読むと得るところは非常に大きいでしょう。しかしもしあなたが「新しいことは一歩一歩勉強して行く」主義、「本は 1 ページ目から読んで行く」主義であるならば、最初に読むのは止めた方が良いかも知れません。演習問題は上に挙げた本に結構載っているのでそれで十分と思いますが、それでも足らない向きには最後に挙げたものなどが良いでしょう。この他にも沢山の参考書が書店や図書館に用意されています。自分に合う本を見つけて下さい。
線形代数か、線型代数か
英語では linear algebra
ですが、日本語ではどちらの表記も使われるようです。どちらが良いかは好みですが、「『一次式で表される』というパターン・雛型を持つようなあらゆる対象、或は正比例という構造を持つようなあらゆる対象を扱う代数学」という原義に立ち戻れば、線型代数学と書くのが正しいと思われます。一方「形」つまり「かたち」だと、2 次元か 3 次元のそういう特殊な図形だけを扱う数学のような気がします。これだと例えば電子回路を記述する常微分方程式で「線形」代数が使われるのを見て驚くことになるのでしょう。
高校で学んだはずのこと
高校では数学 B と数学 C
でベクトルと行列について勉強します。その内容についてはこの授業では既知として扱います。既知とする事柄は:
- 平面と空間のベクトル
- ベクトルの和、差、定数倍の計算とその図形的な意味
- ベクトルの内積の計算とその図形的な意味
- 直線、平面、円など簡単な図形のベクトル方程式とその性質
- 行列
- 一般の(正方行列とは限らない)行列の和、差、積、定数倍の計算
- 零行列、正方行列、単位行列などの用語とその意味
- 2 次の正方行列と逆行列
- 二元及び三元連立一次方程式とこれらの行列の基本変形(掃き出し法)による解法
必要な部分(実質は行列の計算だけです)は最初に簡単に復習します。とは言っても軽く触れる程度です。不安な場合は高校の時の教科書を取り出して予め復習をしておいて下さい。
線型代数を楽しく勉強するために
多分いちばん重要なのは「線型代数を勉強する目的」を探すことです。線型代数を受講し、その他の科目の単位も取得して大学を卒業したら自分はどうしたいのかという目標が見付かれば難しい勉強にも意味が見出せると思います。「山が目の前にあるから登る」のでは超秀才でない限り息切れしてしまいます。
授業計画など
大学のホームページ
から辿れる高等共通システムセンターのページにシラバスが掲載されています。ほぼこれに沿って授業を進めます。
レジュメ
授業中に適宜レジュメを配布します。