ワークショップ
「数理科学と情報科学の周辺」

2013年2月14日 (木) に信州大学数理 自然情報学科にて, 広い意味での情報科学に関する数学をテーマとした小さな研究集会を行いますので ご案内致します.

純粋数学が実際に応用され使われている研究分野の一つとして, 広い意味での情報科学があります. 本研究集会は, 広い意味での情報科学に関連する, もしくは, 今後関連する可能性のある数学の話題について知ることで, 研究の視野を広げ, 新しい研究の可能性を探ることを目的として行います.

なお, この研究集会は, 2つの信州大学理学部学部長裁量経費 (研究課題名:「場の数理と相互作用: 信州数理科学研究センター特別重点研究」ならびに「数理科学を基点とする自然科学諸分野の研究交流促進と研究課題の発掘」, 代表者: 井上和行) による 援助を受けております (参考: 信州数理科学研究センター).

Venue

会場は, 信州大学理学部 A棟4階401号室(数理・自然科学合同研究室)の予定です.

信州大学までのアクセス
アクセスマップなど.
信州大学のキャンパスマップ
松本キャンパス .

Schedule (tentative)

2013年2月14日 (木)

15:00--15:30
栗原 大武
デザイン理論とアソシエーションスキーム,またそれらの応用について
元々,デザインやアソシエーションスキームは, 効率の良い実験の手順を考察したり, 実験計画法と呼ばれる大規模なデータを上手く処理するための手段を研究する統計学の分野で産まれた概念である. その後これらの概念は,Delsarteが提唱したDelsarte理論により, 代数的な立場から扱われるようになった.そして Delsarte理論の発達により,現在この理論は代数や幾何, 統計学,解析学だけではなく, 物理や化学や生物などの数学以外の分野にさえ,多くの応用がある. 本講演では, 生物や化学や量子情報など多岐に亘って活用されたDelsarte理論を紹介したい.
15:45--16:15
鍛冶 静雄
幾何学的な形状補間法
コンピューターグラフィックスの世界では、 流体表現における Navier-Stokes 方程式、 曲面表示における離散微分幾何学など、 数学的道具立てを積極的に用い、また数学に対して新しい問題を提示して来た。 ここでは、二つの与えられた形状を連続的に変形して補間する(モーフィング)問題を、 単体複体、PL写像といったトポロジーでおなじみの言葉に翻訳して、 数学がどのように使われるか、CGの問題意識がどこにあって数学や物理とどう違うのか、 を簡単にお話ししたい。
16:30--17:00
縫田 光司
暗号プロトコルの無仮定擬似ランダム化へ向けて
暗号プロトコルを安全かつ効率的に実装するためには、 プロトコルで用いられる乱数を、 安全性が理論的に確かめられた擬似乱数生成アルゴリズム (暗号学的擬似乱数生成器)によって準備することが推奨されている。 話者の最近の研究で、 ある種の暗号プロトコルと擬似乱数生成アルゴリズムの組合せにおいては、 実装後のプロトコルの安全性を無仮定で(素因数分解の計算困難性などの計算量的仮定を置かずに)証明できることが明らかになった。 本発表では、 この安全性証明手法や使用する擬似乱数生成アルゴリズムの構成に現れる数学的な題材の紹介を行う。
17:15--17:45
前野 俊昭
Function Density Problem について
TBA

世話人

事前の参加申し込みなどは必要ありません. 不明な点などは沼田泰英(信州大学理学部数理自然情報学科, nu at math.shinshu-u.ac.jp) まで.