確率・
統計・
行列ワークショップ
彦根
2021
Probability,
Statistics,
Matrix,
in Hikone, 2021.
JSPS科研費 [1], [2], [3]の研究の一環として,
2021年11月15日(月)
に
滋賀大学データサイエンス学部 (彦根キャンパス)
にて,
小さな研究集会を行いますのでご案内致します.
- [1] JP18H04092 基盤研究(A) 計算代数統計の方法の性能向上と実用化の推進
(研究代表者 竹村彰通)
- [2] JP21H03403 基盤研究(B) 確率場データ解析のための積分・位相幾何的手法と期待オイラー標数法の新展開
(研究代表者 栗木哲)
- [3] JP18K03206 基盤研究(C) パスの数え上げを軸とした表現論的組合せ論の研究 (研究代表者 沼田泰英)
Venue
会場は, 彦根キャンパス講堂多目的室Iの予定です.
講堂は彦根キャンパス正門をはいってすぐの木造の建物です.
多目的室1には, 講堂の裏側(正門と逆側)の入り口からはいってください.
バス停からは, 正門に戻るように歩けば良いです.
あまりにも早く会場に到着しても部屋は施錠されていて入れない可能性があります.
遅くとも9:30には会場に入ることができるよう準備をする予定です.
滋賀大学直行バスを利用するなら9:16分彦根駅西出口5番乗り場発のバスを利用すると良いと思います.
また, この研究集会はZoomによるオンラインでの参加も可能です.
接続情報は以下の通りです:
Schedule (Tentative)
2021年11月15日 (月)
- 10:00--10:50
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土谷隆
(政策研究大学院大学)
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新型コロナウイルス感染症の感染拡大の数理モデリングとワクチン接種の効果の解析,そして今後の予測について
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この夏に感染爆発の様相をみせ猛威をふるった新型コロナウイルス感染症も,
ワクチン接種によって感染者数は激減し,社会活動が再開しつつあり,関心は第6波の到来時期に移りつつある.
本発表では,簡単な数理モデルを用いた新型コロナウイルス感染症の感染拡大の解析と今後の予測について紹介し,
さらに社会における数理モデルの役割についても議論する.
- 11:00--11:50
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清 智也(東京大学)
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多ドメインデータのための最小情報従属モデル
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複数のドメインの直積集合上に値をとるデータに対して、
周辺分布といくつかの従属性を与えたもとで相互情報量を最小にすることで確率分布族を作ることができる。
これは最小情報コピュラモデルと呼ばれる確率分布族の拡張であり、幅広い応用が期待される。
本講演ではこのモデルの構造と推測法を概観し、いくつかの例を紹介する。
本研究は統計数理研究所の矢野恵佑氏との共同研究である。
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Lunch
- 13:30--14:20
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田中未来(統計数理研究所)
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2錐間の大域的最小角を求めるための分枝限定法
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2つの閉凸錐の組がもつ幾何的な基本量としてこれらの間の最小角がある.
この値はいくつかの分野において重要な意味をもつが, その計算は非凸最適化問題となるため容易ではない.
本講演では, この問題に対する大域的最適解を求めるための分枝限定法を提案し, その正当性を示す.
- 14:30--15:20
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白井朋之(九州大学)
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Zeros of random analytic functions with dependent Gaussian coefficients
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一般的なガウス型解析関数の零点の性質,および
独立同分布なガウス確率変数列\(\{\zeta_n\}_{n=0}^{\infty}\)を係数とするべき級数として定義される
双曲型のガウス型解析関数\(\sum_{n=0}^{\infty} \zeta_n z^n\)
の零点の著しい性質について簡単なサーベイをした後,
係数を定常ガウス過程に置き換えた場合に,
零点の個数の期待値がその定常ガウス過程にどのように影響されるかについて論じる.
(野田航平氏との共同研究)
- 15:30--16:20
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原尚幸(京都大学)
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2時点で処置がある場合のDIDの識別
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差分の差分法は、処置の前後の2時点で目的変数のデータを取り、処置割り当ての有無と2時点間における目的変数の差分に基づいて処置効果を推定する手法で、
効果を識別するための十分条件も得られている。
しかし、マーケティングデータの場合、1時点目ですでに処置を受けている可能性が否定できない場合、言い換えれば、1時点目における処置の有無が潜在変数となるケースがある。
本講演では、こうした場合における処置効果の識別のための十分条件を紹介する。
- 16:30--17:20
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間野修平
(統計数理研究所)
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コーダルグラフが定める行列が導く A 超幾何多項式の特殊値における和公式について
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ガウスの超幾何級数は特殊値 1 についてガンマ函数による閉じた表示を持ち,ガウスの超幾何定理と呼ばれる.これはガウスの超幾何級数の積分表示がベータ積分で書けることから理解できる.コーダルグラフを考え,各頂点が有限集合に状態をとるとする.グラフの状態上の確率分布にマルコフ性を課し,クリークの状態を指定してグラフから標本を抽出するときの分布函数の規格化定数について,Sundberg (1975) は閉じた表示を与えた.クリークの状態を指定することはある行列 A を定め,規格化定数はその A 超幾何多項式であり,マルコフ性は特殊値を定めることが分かる.本講演では Sundberg の結果を A 超幾何積分として導出する.本講演は高山信毅氏との共同研究に基づく.
- 17:30--
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Free discussion.
過去の集会
Announce
研究集会自体への参加申し込みなどは必要ありません
不明な点などは沼田泰英(信州大学理学部数学科,
nu at math.shinshu-u.ac.jp) まで.
世話人
竹村彰通 (滋賀大学・統計数理研究所),
栗木哲 (統計数理研究所),
沼田泰英 (信州大).