2015年3月30日
10:30AM - 4:30PM
von Neumann環の基礎
講演者:大野 博道
(信州大学工学部)
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室
2015年2月27日
4:00PM - 5:30PM
Energy conservation, counting statistics and return to equilibrium
講演者:Annalisa Panati
(Aix-Marseille University, McGill University)
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室
2015年1月21日
4:30PM - 6:00PM
トポロジカル絶縁体におけるバルクエッジ対応とそのK理論的側面
講演者:林 晋氏
(東京大学)
物性物理において、バルク(内側)は絶縁体であるが、バルクのある種のトポロジーを反映して、エッジ(境界)にそってある種のカレントが流れる現象のあることが知られている。このような物質はトポロジカル絶縁体と呼ばれ、このバルクとエッジの対応関係(バルクエッジ対応と呼ばれる)は、エッジに現れる状態がrobustであることの一つの根拠として知られている。
バルクエッジ対応は、バルクとエッジそれぞれの情報から定まるある種の指数の対応関係として定式化することができる。本講演ではまずG. M. GrafとM. Portaによる、ある二次元周期系におけるバルクエッジ対応の証明を、K理論の観点から紹介する。次いで、バルクエッジ対応がK理論におけるGysin準同型の関手性によって理解できることを説明する。
本研究は古田幹雄、小谷元子、窪田陽介、松尾信一郎、佐藤浩司の諸氏との共同研究である。
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室
2014年11月21日
4:30PM - 6:00PM
Correlation inequalities for the quantum rotor model
講演者:宮尾 忠宏氏
(北海道大学)
2次元quantum rotor modelで記述される系において、いくつかの相関不等式を証明する。証明に用いられる方法は作用素不等式によるものである。
この結果を用いて絶対零度における2点相関関数の振る舞いを調べる。
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室(数理攻究室(4F)に変更する可能性あり)
2014年10月21日
4:30PM - 6:00PM
量子テレポーテーションの基礎
講演者:大野 博道氏
(信州大学工学部)
この講演では量子テレポーテーションの解説をする.
量子テレポーテーションは,新しい情報通信技術として期待されているが,
その名前とは違って情報が瞬時に相手に届くものではない.
量子テレポーテーションの長所は盗聴ができない通信が可能なことにある.
この講演では,量子情報理論を展開するための公理の解説から始め,
一番基本的な2次元の最大エンタングル状態を用いた量子テレポーテーションを解説する.
講演のノートはこちら
会場:信州大学工学部図書館2Fセミナー室(理学部・数理自然情報合同研究室にて中継)
2014年9月16日
4:00PM - 5:30PM
自己共役作用素に関わるBorel同値関係の複雑さについて
講演者:安藤 浩志氏
(コペンハーゲン大学)
非有界自己共役作用素の研究は数学、物理学において重要ですが、有界作用素の場合には生じなかった様々な困難を伴う事は良く知られています。その原因の一つは定義域がHilbert空間全体でなく、稠密な部分空間である事によっています。
ここで次の問題を考えてみます。
Hilbert空間$H$上の自己共役作用素$A,B$について
(1) $A,B$は等しい定義域を持つか?
(2) $A,B$の定義域はユニタリ同値か?
(3) $A=B+C$なる有界自己共役作用素$C$が存在するか? (有界摂動問題)
これらは全て複雑な問題ですが、どの問題がより複雑か、定量的に述べる事ができるでしょうか?
本研究では3者の関係をBorel同値関係の問題として研究し、その構造を明らかにしました。 講演では証明の基本的アイデアを紹介させて頂きます。
[松澤泰道氏(信州大学)との共同研究]
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室
2014年7月4日
4:20PM - 5:20PM
A Topological Approach to Pushnitski's Spectral Flow
講演者:田中洋平氏
Let $H_0, H_1$ be two bounded self-adjoint operators on a Hilbert space having a trace-class difference. Under these assumptions, there exists an integrable function $\xi(-; H_0, H_1)$, depending on the pair $H_0,H_1$, such that the following trace-formula holds:
$$
\tr(\phi(H) - \phi(H_0)) = \int^{\infty}_{-\infty} \phi'(\lambda) \xi(\lambda; H_0, H_1) d\lambda,
$$
where $\phi$ is any compactly supported function of class $C^\infty$. This formula is due to
M.G. Krein, and the function $\xi(-; H_0, H_1)$ is now widely known as the Spectral Shift Function (SSF).
A new representation formula for the SSF has been recently established by A. Pushnitski.
His analysis is based upon a homotopy invariant for the pair $H_0,H$, known as ``spectral flow''. The purpose of this
talk is to suggest that there is a purely topological approach to Pushnitski's spectral flow as opposed to his functional analytic approach.
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室
2014年6月23日~25日
23日4・5限,24日17:00~19:00,25日3・4限
量子デバイスの数理モデル
講演者:鹿野 豊氏
(分子化学研究所)
量子基礎の実験検証や量子情報技術は日々発展してきている。具体的な物理系は様々に考えられており、それぞれの系に対して技術的な問題が個別にある。そのため、数理モデルとして同じものであるのにも関わらず、一見すると、全く関係ないように見えてしまうことがある。そこで、本講演では量子デバイスの数理モデルの構築の際に、実験系からどのようにして数理モデルに落とし込み、実験結果をどのように見れば良いのか?ということに関して議論する。
会場:信州大学工学部 学部共通棟2階 第3講義室
2014年6月9日(月)
4:40PM - 6:10PM
複素平面上のTime-ordered exponentialと,Gell-Mann and Low formulaへの応用
講演者:二口 伸一郎氏
(北海道大学)
摂動的場の量子論でファインマンダイアグラムを生成する機構において,time-ordered exponentialは非常に有用な道具です.Gell-Mann and Low formulaは,そのような機構の核心となる公式です.本講演では,場の量子論のあるクラスに対するGell-Mann and Low formulaの数学的証明方法をご紹介します.
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室
2014年6月9日(月)
3:00PM - 4:30PM
対称でない非有界作用素に対するTime-ordered exponentialの構成とその応用
講演者:臼井 耕太氏
(北海道大学)
作用素のあるクラスに対して,"Time-ordered exponential" と呼ばれる作用素の級数を構成する.これは,理論物理学において,量子力学の散乱行列を形式的に摂動展開 する時に現れる作用素を数学的に厳密に構成したもので,散乱理論以外にも様々な応用を持つと予想される. 本講演では,その応用例として,主に量子電磁力学への応用を議論する.
会場:信州大学理学部A棟4階数理・自然情報合同研究室