NTT JTeX のインストール

現在の NTT JTeX の最新版は 1.61 で、kpathsea 2.6 に基づいています。 従って kpathsea 3.0 とかち合わないように少し工夫が必要です。

一つの方法としては kpathsea 3.0 の texmf.cnf を 2.6 でも使えるように書き換えることですが、ここでは texmf.cnf などを入れるための directory を新たに web2c-j という名前で作ることでこの問題を回避することにします。 なお kpathsea 3.0 対応の JTeX が出た場合は以下のような面倒なことをする必要はありません。

必要なファイル

インストール

私は MuTeX を良く理解していないので、取り敢えず NTT JTeX だけを入れることにします。
  1. 適当な作業ディレクトリに texfam-kp2.6.tar.gz を展開します。
    % cd $WORK
    % tar zxvf texfam-kp2.6.tar.gz
    すると texfam-kp2.6 というディレクトリが生成されます。 以後の作業はこのディレクトリで行うので移動しておきます。
    % cd texfam-kp2.6
    あとは添付されている INSTALL.jp に「ほぼ」従うことになります。

  2. INSTALL.jp に従って 1. から 3. までの作業を行います。
    % tar zxvf web2c-6.1.tar.gz
    % tar zxvf web-6.1.tar.gz
    % mv web2c-6.1/web2c .
    % rm -rf web2c-6.1
    % tar zxvf web-6.1-upd-tar.gz
    % tar zxvf web2c-kp2.6.tar.gz
    % tar zxvf web2c-j1.61.tar.gz
  3. make/paths.make を次のように変更します。

  4. ls-R ファイルがかち合わないように kpathsea/db.h の KPSE_DB_DIR の定義を
    #define KPSE_DB_DIR "$TEXMF/web2c-j"
    のように書き換えておくことにします。

  5. コンパイルします。
    % ./configure
    % make
  6. 手で inijtex、virjtex、jtex.pool、texmf.cnf をインストールします。
    % mkdir /usr/local/share/texmf/web2c-j
    % strip web2c-j/jtex/virjtex web2c-j/jtex/inijtex
    % cp web2c-j/jtex/virjtex web2c-j/jtex/inijtex /usr/local/bin
    % cp web2c-j/jtex/jtex/pool /usr/local/share/texmf/web2c-j
    % cp kpathsea/texmf/cnf /usr/local/share/texmf/web2c-j
  7. マクロをインストールします。JLaTeX2e のディレクトリは簡単に jlatex とすることにします。
    % mv macros/jlatex2e /usr/local/share/texmf/tex/jlatex
    % mv macros/jtexini /usr/local/share/texmf/tex
  8. 次にライブラリをインストールします。 まず作業ディレクトリに展開します。
    % cd $WORK
    % tar zxvf jlib-1.61.tar.gz
    texmf というディレクトリが作成されますのでそちらへ移動しておきます。
    % cd texmf
    このディレクトリには bibtex、doc、fonts、tex のサブディレクトリがありますが、bibtex は pTeX のインストールが完了しているならば不要です。 また tex の部分も先のマクロのインストールで終っているのでいりません。 doc は適当な場所へインストールします。
    % mv doc /usr/local/share/texmf/doc/jtex
    フォント (tfm) は $TEXMF/fonts/tfm/dnp/nttsub に置くことにします。
    % mkdir /usr/local/share/texmf/fonts/dnp
    % mv fonts/dnp/nttsub/tfm /usr/local/share/texmf/fonts/dnp/nttsub
  9. このあたりでtexmf.cnf を書き換えておきます。

  10. ls-R ファイルは手で作成します。 db.h を変更したのでディレクトリに注意します。
    % ls -LR /usr/local/share/texmf > /usr/local/share/texmf/web2c-j/ls-R
  11. 最後に fmt ファイルを作成し、リンクを張ります。
    % cd $WORK
    % inijtex jplain.tex
    \dump
    % mv jplain.fmt /usr/local/share/texmf/web2c-j/jtex.fmt
    % ln -s /usr/local/bin/virjtex /usr/local/bin/jtex
    必要ならば JLaTeX2e や AmsJTeX の fmt も作成し、 同様にリンクを張っておけば良いでしょう。
以上で NTT JTeX のインストールはおしまいです。 なお ls-R ファイルは新しいマクロを入れるたびに手で更新します。 必要ならば cron などを利用すれば良いでしょう。 或は mktexlsr (昔の MakeTeXls-R) に手を加えて ls -LR を実行するようにしても良いでしょう。