NTT JTeX の場合

前と同様に「HG 行書体」を使うことにします。 JTeX でのフォント名を gy* としておきます。

なおここでは JTeX による dvi ファイルを virtual font を使って pTeX のものに置き換えることで多書体化を行います。xdvik や dvipsk などを JTeX 寄りに設定している場合は 「プリンタ内蔵フォントを使わない環境」の項をご覧下さい。

  1. tfm ファイルを用意します。例えば dm* のコピーで済ませるならば、ディレクトリを移動した後で
    % foreach i (dm*.tfm)
    cp $i `echo $i | sed -e 's/dm/gy/'`
    end
  2. vftool を使って gy -> gyo の virtual font を作成します。 Makefile にこのようなエントリはないので作成します。 具体的には n2a の部分に
           n2a: mkn2avf
                   -mkdir vf-n2a
                   ./MKNTT2ASC dm min ${JFM} vf-n2a
                   ./MKNTT2ASC dg goth ${JFM} vf-n2a
                   ./MKNTT2ASC gy gyo ${JFM} vf-n2a
           
    のように三番目のエントリを付け加えれば良いでしょう。dm と dg のエントリは不要ならばコメントにしておきます。 この作業の後で
    % make n2a
    を実行します。

  3. 生成されたフォントを適切なディレクトリにインストールします。
実際に TeX の中でフォントを使うには \makejfontdata や \jfont などのコマンドを使ってフォントをロードする必要があります。例えば
\documentclass{j-article}
\makejfontdata{gy10}{gy}{10}{10}
\jfont\gyo=gy10
\begin{document}
\gyo 行書体の文。
\end{document}

JLaTeX2e 用の style file などは用意してありませんが、標準の JPdn.fd 等を参考にすれば作るのはそれほど難しくはない(未確認)と思います。

xdvik の設定は "gyo" が正常に表示されればこれ以上は特に必要ないようです。 dvipsk も "gyo" が扱えるようになっていればやはり設定は不要です。

但し n2a の virtual font をインストールしない場合、 これはプリンタ内蔵フォントを仮定しない場合 にこの可能性が最も高いと思うのですが、この時は xdvik のために vfontmap にエントリを作成する必要があります。dvipsk の方は?です(vf2dnp を使うようにすれば可能)。