セミナー (2012年度の記録)
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日時 : 2013年1月17日(木) 16:30 - 18:00 (都合により日程を変更しました)
題目 : 標準的な基本不変式系
講演者 : 中島 規博 氏 (北海道大学大学院理学院)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
有限鏡映群の不変式環の代数的に独立な生成元は
基本不変式と呼ばれている.
FlattoやFlatto-Wienerによって,
標準的と呼ばれる基本不変式の系が存在することが証明されている.
またIwasakiやIwasaki-Kenma-Matsumotoにより,
E型を除く有限既約鏡映群の標準的な基本不変式系の
明快な表示が与えられている.
本講演では標準的な基本不変式系の統一的な表示について講演する.
また,本講演は北海道大学の辻栄氏との共同研究に基づく.
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日時 : 2012年12月10日(月) 16:30 - 18:00
題目 : グラスマン空間上のデザイン理論
講演者 : 栗原 大武 氏 (京都大学数理解析研究所)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
デザインとは、ある空間内の有限個の点集合で全体を「うまく」近似するような性質を持ったものである。
「良い」デザインは、対称性が高い、様々な分野の重要なものから得られる、
アソシエーションスキームの構造が付随する、など興味深い性質を持つ。
これまでにデザイン理論は球面やQ多項式アソシエーションスキームなど多くの空間の上で考えられてきた。
本講演では主にグラスマン空間上のデザイン理論を中心として、現在知られていることや、
講演者によって得られた結果を説明したい。
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日時 : 2012年11月21日(水) 16:30 - 18:00
題目 : 量子アフィン代数のminimal affinizationについて
講演者 : 直井 克之 氏 (Kavli IPMU)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
量子アフィン代数はアフィンリー代数の普遍包絡環の量子変形として定義される。
量子アフィン代数の有限次元既約加群はChariとPressleyによりDrinfeld多項式を用いて分類がなされたが、
個々の既約加群の構造については現在においても多くのことがわかっていない。
本講演では量子アフィン代数の有限次元加群に関する基本的事項について解説した後、
minimal affinizationと呼ばれる特別な既約加群に関して、
指標公式など最近得られた結果について紹介する。
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日時 : 2012年11月19日(月) 16:30 - 18:00
題目 : Atom spectrum and classification of subcategories
講演者 : 神田 遼 氏 (名古屋大学大学院多元数理科学研究科)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
The atom spectrum of an abelian category is a topological space consisting
of all the equivalence classes of monoform objects.
It can be considered as a generalization of the prime spectrum of a commutative ring.
In the case of a locally noetherian Grothendieck category,
we show that subsets of the atom spectrum classify localizing subcategories
and E-stable subcategories closed under direct sums and direct summands.
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日時 : 2012年10月17日(水) 16:30 - 18:00
題目 : Chambers and freeness of line arrangements
講演者 : 阿部 拓郎 氏 (京都大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
A finite set of lines in the real plane is called an arrangement of lines.
An arrangement divides the plane into the finite set of connected
components,
called chambers. If we consider a family of arrangements the number and
directions
of lines of which are fixed, then we can give a lower bound of the
chambers of
arrangements belonging to this family. A proof is given by algebraic
method, and
the relation to the freeness of arrangements will play an important role.
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日時 : 2012年7月18日(水) 16:30 - 18:00
題目 : Cyclotomic q-Schur 代数の Drinfeld 型の表示について
講演者 : 和田 堅太郎 氏 (信州大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
cyclotomic q-Schur 代数は,Ariki-Koike 代数 (G(r,1,n) 型の複素鏡映群に付随した cyclotomic Hecke 代数)
の quasi-hereditary cover の1つである。
r=1 であるとき,Ariki-Koike 代数は対称群に付随する Iwahori-Hecke 代数であり,
対応する q-Schur 代数は A型の量子群の商代数であることが知られている。
A型における古典的な表現論の結果を,
G(r,1,n) 型の複素鏡映群に付随する cyclotomic q-Schur 代数の表現論へと拡張したい。
講演では,
cyclotomic q-Schur 代数の表現論の基本的な事を説明した後,
cyclotomic q-Schur 代数の(加算無限個の)生成元とその間の関係式を与え,
表現論への応用をお話ししたいと思います。
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日時 : 2012年5月9日(水) 16:30 - 18:00
題目 : Association scheme の表現と Terwilliger algebra の代数構造について
講演者 : 前川 悠 氏 (信州大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
Association schemeは代数的組合せ論の一つの研究対象である。
現在Association schemeの表現と呼ばれているものは、Association
scheme から得られる隣接代数の表現であり、そこには組合せ構造の
情報が抜け落ちてしまっている。
そこで、Terwilliger氏は1992年にTerwilliger algebra (subconstituent
algebra)と呼ばれる隣接代数に点の情報を付加したalgebraを研究した。
今回の講演では Terwilliger algebraについての基本的事実を述べ、
最近の研究状況について紹介する。