セミナー (2016年度の記録)
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日時 : 2017年2月14日(火) 16:30 - 18:00
題目 : Cherednik algebras and quantized Coulomb branches
講演者 : 小寺 諒介 氏(京都大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
1以上の整数$n$と$l$に対して,$W$を$G(l,1,n)$型の複素鏡映群,すなわち$n$次対称群と位数$l$の巡回群とのwreath積とする.
spherical cyclotomic rational Cherednik代数は,商特異点$\mathbb{C}^{2n}/W$の量子化を与える代数としてEtingof-Ginzburgによって導入された.
一方,Braverman-Finkelberg-中島は3次元ゲージ理論のクーロン枝とその量子化を数学的に定義し,ジョルダン箙に付随する場合にはクーロン枝が$\mathbb{C}^{2n}/W$となることを示した.
こうして$\mathbb{C}^{2n}/W$の量子化の二つの異なる構成が得られたため,その二つの代数を比較せよという問題が生じる.
この問題に対する答えとして,中島啓氏との共同研究で,spherical cyclotomic rational Cherednik代数とジョルダン箙に付随する量子クーロン枝との間の明示的な代数の同型を構成し,パラメータの対応を決定した.
講演では,同型射を構成するためにCherednik代数側でどのようなことを証明するのかを中心に紹介する.
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日時 : 2016年12月16日(金) 16:30 - 18:00
題目 : 有限次元対称多元環上の片側傾斜複体の両側化について
講演者 : 小境 雄太 氏(東京理科大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
本講演は,東京理科大学の功刀直子氏との共同研究に基づく。
k を代数的閉体とし,A, B を k 上の有限次元対称多元環とする。自己準同型環 B をもつ A-加群の片側傾斜複体が与えられたとき,A-B-両側加群の両側傾斜複体が存在することが知られている。しかし,これをはっきりした形で書くのは容易ではない。
本講演では,片側傾斜複体と両側傾斜複体に関する基本的事実を述べたあと,最近得られた,Brauer樹木多元環上の両側傾斜複体に関する結果を紹介する。
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日時 : 2016年11月10日(木) 16:30 - 18:00
題目 : 台$¥tau$-傾加群の変異構造による多元環の復元について
講演者 : 加瀬 遼一 氏(奈良女子大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
Adachi-Iyama-Reiten により導入された台$¥tau$-傾加群およびその変異は古典的な傾加群およびその変異の一般化であり, 様々な多元環のクラスでその変異構造が調べられている. 本講演では台$¥tau$-傾加群の変異構造からどの程度元の多元環を復元できるかという問題に関して, 最近得られた結果を具体例をもとに紹介したい.
この講演の一部は東京学芸大学の相原琢磨氏との共同研究にもとづく.
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日時 : 2016年7月7日(木) 16:30 - 18:00
題目 : On generalized q-Schur-Weyl duality and Kazhdan-Lusztig bases
講演者 : 渡邉 英也 氏(東京工業大学)
会場 : 理学部 A 棟 4 階 数理攻究室 (A-427)
アブストラクト :
q-Schur-Weyl duality is a remarkable relation between the quantum enveloping algebra and
the Hecke algebra of type A. This result was extended to other classical types (duality between a coideal
subalgebra of $U_q(\mathfrak{gl}_n)$ and the Hecke algerba of type B, C, and D) and to affine type A by
Bao-Wang and Varagnolo. In these settings, Kazhdan-Lusztig bases ("canonical" basis of some modules of the Hecke algebras)
are naturally viewed as "canonical" bases for some modules of the quantum enveloping algebras or its coideal subalgebras.
In this talk, we further generalize the above results and explain that Kazhdan-Lusztig bases are naturally regarded
as "canonical" bases in the sense of representation theory for coideal subalgebras.