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信州数理科学研究センター

数理科学談話会


2023年11月1日(水) [2023年度第7回数理科学談話会]
14:40 - 16:10
符号理論、千葉大ビール、束論
講演者:萩原 学氏 (千葉大学 大学院理学研究院 数学・情報数理学部門 教授)
千葉大ビールは千葉大生を中心にクラフトビールを作る活動です。この講演ではクラフトビールの作り方を主に、活動を通じて気づいた、学術連携の可能性や大学がクラフトビールを作る意義などについて述べます。ときおり、数学的な話も混ぜます。
キーワード:誤り訂正符号、クラフトビール、形式概念解析
講師の専門分野:符号理論・組合せ論
会場:会場:数理・自然情報合同研究室


2023年10月24日(火)
16:40 - 17:40
ファン・カンペン-フローレスの定理とシュティーフェル-ホイットニー類
講演者:松下尚弘氏 (信州大学理学部数学科)
ファン・カンペン-フローレスの定理とは、 2d + 2 次元単体の d-骨格は 2d 次元のユークリッド空間に位相的に埋め込むことはできないという定理である。本講演では、ある特性類の条件を満たす多様体の三角形分割の d-骨格に対しても、同様のことが成立することを述べる。特に本研究の結果から、非自明な全シュティーフェル-ホイットニー類を持つ 2d+1 次元多様体の三角形分割の d-骨格が 2d 次元のユークリッド空間に位相的に埋め込むことができないことがわかる。本研究は九州大学の岸本大祐氏との共同研究である。
会場:会場:数理・自然情報合同研究室


2023年10月24日(火)
15:30 - 16:30
(±1)歪射影空間の組合せ論的分類
講演者:上山健太氏 (信州大学理学部)
Artin-Zhangによって、表現論的に非可換射影スキームという概念が導入されている。それ以降、非可換射影スキーム、中でも非可換射影空間は非可換代数幾何学における中心的な研究対象である。本講演では、(±1)歪射影空間(という非可換射影空間の特別なクラス)を組合せ論的に分類した結果を紹介する。
会場:会場:数理・自然情報合同研究室


2023年7月25日(火) [2023年度第3回数理科学談話会]
15:10 - 16:40
実験データ駆動型のインフォマティクスによるイオン液体・柔粘性結晶の解析
講演者:畠山 歓 氏 (東京工業大学)
本発表では、データ科学を用いてイオン液体、柔粘性結晶や高分子イオン伝導体の分子構造と物性の相関を解析する手法を紹介する。具体的には、NISTが運営する世界最大のイオン伝導体データベースILThermoの活用状況、柔粘性結晶の解析、構造ー物性相関モデルを構築する手段などについて議論する。
世話人:二村竜祐 (理学系)
キーワード:マテリアルズ・インフォマティクス、イオン液体
講師の専門分野:高分子、インフォマティクス、有機電気化学
会場:数理・自然情報合同研究室(A棟4階西側つきあたりの部屋です)


2023年6月1日(木) [2023年度第2回数理科学講演会]
15:10 - 16:40
グラフとメトリックグラフに関する逆問題について
講演者:岩崎 悟 氏 (大阪大学大学院情報科学研究科 情報数理学専攻システム数理学講座 助教)
与えられたデータから背後にある数理モデルや状態変数を推定する問題は広く逆問題と呼ばれている.本講演では主に二つの逆問題について紹介をする.一つ目はグラフに関する逆問題であり,頂点上の時系列データのみが与えられている場合に,その時系系データから各時刻における頂点同士の接続関係(隣接行列の時系列)を推定する動的グラフ学習という研究について紹介する.一つ目の研究は現在修士1年生の髙橋優輝氏との共同研究に基づく.二つ目はメトリックグラフと呼ばれる空間領域上の熱拡散方程式の逆問題ついて紹介する.メトリックグラフ内部に有限個のセンサーを配置した状況を想定し,そのセンサー上での熱の観測時系列データから初期状態を一意に推定できるためのセンサーの配置座標の必要十分条件を求める問題について紹介する.
世話人:太田家 健佑,栗林 勝彦
キーワード:グラフ信号処理,動的グラフ学習,メトリックグラフ,熱拡散方程式
講師の専門分野:TBA応用数学,情報科学,偏微分方程式
会場:zoom オンライン


2023年5月10日(水) [2023年度第1回数理科学講演会]
15:10 - 16:40
デイジーワールドモデルとミツバチ営巣モデルに対する解析と数値シミュレーション
講演者:陰山 真矢 氏 (関西学院大学理学部数理科学科)
私たちの身近に見られる生物現象の多くは非線形現象と呼ばれ,非線形な方程式によって書き表すことができる. それらの構造を数学的に理解することは,現象が起こるメカニズムを解明する近道となる. 本講演では,講演者がこれまでに取り組んできた 2 つの非線形方程式について紹介する. 1つ目は,デイジーワールドモデルと呼ばれる非常 に単純な地球システムモデルである. 白と黒の 2 色のデイジーの花しか生息していない仮想の惑星「デイジーワールド」において,温室効果の強さがデイジーの分布にどのような影響を与えるかを議論する. 2つ目は,ミツバチの営巣過程を記述する数理モデルについて,ミツバチの実験結果と併せて紹介する.
世話人:太田家 健佑,栗林 勝彦
キーワード:デイジーワールド,ミツバチ営巣,非線形方程式,パターン形成
講師の専門分野:応用数学,非線形現象,数理モデル
会場:数理・自然情報合同研究室


2022年12月14日(水) [2022年度第4回数理科学講演会]
16:50 - 18:00
都市化の数理
講演者:太田家 健佑 氏 (信州大学全学教育機構 助教)
人間は地理的に均一に居住せず,集積して都市を形成する一方で地方での人口減少を帰結し,このことはしばしば社会政策上の課題を提起する.このような都市化現象を経済の論理で説明できるだろうか.空間経済学と呼ばれる分野では,都市化現象を説明する数理モデルが提案されている.本講演では,空間経済学の代表的な数理モデルについて,その基本となるミクロ経済学の理論から,講演者の研究成果にも触れながら非専門家向けに解説する.
世話人:宮西 吉久(理学系)
キーワード:微分方程式,空間経済学
講師の専門分野:応用数学,数理経済学
会場:数理・自然情報合同研究室 と ZOOM (ハイブリッド)


2022年10月25日(火) [2022年度第3回数理科学談話会]
16:50 - 18:00
Generalized symmetries in QFT
講演者:谷崎 佑弥 氏 (京都大学基礎物理学研究所)
場の量子論は多くの量子多体系に対して低エネルギー領域の普遍的振る舞いを記述することができる枠組みであるが,それを解くことは一般に強結合の物理を解く問題となってしまい,非常に困難である事が多々ある.このような問題に対する一つのアプローチとして,具体的にダイナミクスを解くのではなく,場の理論に対して一般に成り立つべき定理を与えることで,場の理論の可能なダイナミクスを制限するという立場がある.場の理論における対称性は,その観点から非常に大きな役割を担ってきた.近年になり,相対論的場の理論にたいしてこの対称性の概念そのものが一般化され,場の理論を調べる上で新しい見方や非摂動的な定理が得られている.本講演では一般化された対称性の概念を基本的なところから説明し,またそのいくつかの応用を紹介する予定である.
世話人:奥山和美(理学系)
キーワード:一般化された対称性、場の理論
講師の専門分野:原子核理論、場の理論
会場:オンライン(zoom)


2022年10月5日(水) [2022年度第2回数理科学談話会]
15:10 - 16:40
マテリアルズ・インフォマティクスを活用した材料設計と技術動向
講演者:向田 志保 氏 (三井化学)
近年、AIを活用した材料開発であるマテリアルズ・インフォマティクスの活用が進んでいる。 特に、材料メーカーでは、サイクルの速い製品においては、上市までのスピード競争が熾烈化しており、データサイエンスを活用しないと太刀打ちできない状況になりつつある。 データの種類も以前は、実験データといった数値がメインであったが、近年は特許、論文、SNSといったテキストデータならびに関連画像データの活用も進んでいる。特に欧米では、こうしたデータから、ダイレクトに世の中の動向を掴み、材料開発までシームレスに行うDevOps開発が進んでいる。また、量子コンピュータやAIを活用することで、シミュレーション技術が向上し、高速化が進んでいる。こうした背景を受けて、ロボティクスを活用した実験の無人化、遠隔化の試みも進んでいる。情報科学を活用することにより、これまでは化学者しか扱えなかった分野の民主化が進んでいる。分野融合型の人財育成も見据え、今後のトレンドについてもどのようにアプロ—チとしていけばよいかを企業目線でまとめていきたい。
世話人:二村竜祐 (理学系)
キーワード:マテリアルズ・インフォマティクス、機械学習、人工知能(AI)、材料開発、ケモインフォマティクス
講師の専門分野:情報科学、生物工学、マテリアルズ・インフォマティクス
会場:理学部C棟1階13番講義室


2022年9月8日(木) [2022年度第1回数理科学談話会]
15:00 - 16:30
サプライチェーンでの森林伐採のマップ化に関する研究
講演者:金本 圭一朗氏 (総合地球環境学研究所・准教授)
共催: 生物学コース教室セミナー
信州大学理学部「数理科学プロジェクト」信州数理科学研究センター
世界の森林面積は過去数十年に渡って減少してきたが、多くの先進国および中国やインドでは自国の森林面積を増加させてきた。一方で、東南アジアやブラジルでは一 貫して森林面積が減少しており、炭素蓄積、生物多様性の損失などの観点から世界的に大 きな問題となっている。そして、東南アジアやブラジルでの森林伐採は大豆の生産などの農作物の栽培地、牛の牧畜などの牧草地、木材生産、そして都市部の拡大などの要因で起 こっていることが分かっている。そこで、森林伐採を引き起こしてきた農作物や畜産物、 木材、その他財やサービスはどの国が消費しているのかを明らかにする必要がある。
 本研究によって、世界各国の消費が、どこでどの程度森林伐採を引き起こしてきたのかをマップ化することに成功した。日本をはじめ G7 の各国 (カナダを除く) は 2001 年からの15 年間の間に自国内では森林面積を増加させてきたものの、食料や木材の輸入を 通じて熱帯などの国外で自国での森林面積以上の森林伐採を引き起こしてきたことが明らかになった。日本は例えばブラジルからの大豆、インドネシアからのパーム油、パプア ニューギニアやラオスからのコーヒーなどの輸入が森林伐採を誘発している可能性が高 いことが明らかになった。平均的な日本人は、2015 年の 1 年間一人あたり 2.22 本の森林 伐採を国内および国外を通して引き起こしてきたが、そのうち 2.07 本は海外分であるこ となどが明らかになった。研究結果により、多くの先進国は自国での森林面積を増加させ るだけでなく、サプライチェーンを通じた国外での森林伐採の減少に取り組む必要性を明らかする。
世話人:高梨 功次郎 (理学系)
キーワード:サプライチェーン、生物多様性、多地域間産業連関分析、空間的フットプリント分析
講師の専門分野:国際的なサプライチェーンを通じた環境影響解明
会場:理学部 8 番講義室 (理学部講義棟 3 階)


2022年2月10日(木) [2021年度第7回数理科学談話会]
16:50 - 18:00
ベイズ統計理論に基づくヒト認知機能の数理モデリングと統計解析
講演者:朝倉 暢彦氏 (大阪大学 数理・データ科学教育研究センター)
現代のデータサイエンスは,古典的な統計理論では想定されてこなかった自明でないデータ取得環境から得られる非構造化データを扱う場面が多い.このような状況では,データ取得環境とそれに起因するあらゆる不確定性のモデリングがデータ解析に先立って必要となる.データサイエンスでは,このデータ生成過程の統計モデリング,すなわちデータ生成モデルの構築と不確定性の定量的評価をベイズ統計理論の枠組みで行うのが主流のアプローチとなっている.さらに,このような観点からからデータサイエンスの課題を考えてみると,それは不確定性をもったデータからの有効な情報の抽出,その確からしさの定量的な評価に基づく解析対象の理解,およびデータを取り巻く環境において適切な意思決定を導くことと言える. 本講演では,このデータサイエンスの課題が,ヒトの認知システムにおいても解決すべき同型の課題となっており,データ生成モデルを用いたベイズ推定というデータサイエンスの枠組みがヒト認知機能のモデリングにも極めて有効であるということを講演者の研究事例を踏まえて説明する.
世話人:宮西 吉久 (理学系)
講師の専門分野:超弦理論,代数解析学
会場:オンライン(Zoom)


2022年1月11日(火) [2021年度第6回数理科学談話会]
16:50 - 18:00
素粒子ニュートリノで宇宙の謎を探る
講演者:淺賀 岳彦 氏 (新潟大学理学部)
素粒子「ニュートリノ」は、2015年にノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章さんの研究でご存知かもしれません。梶田さんが発見したニュートリノ振動現象は、ニュートリノが極微の質量を持つことを示し、素粒子物理学分野に衝撃を与えました。本講演では、ニュートリノの極微質量の起源を探究することにより宇宙物理における謎を解明する研究について紹介します。特に、宇宙暗黒物質、および宇宙反物質の問題解決に向けた取組について、最近の進展も含めお話しします。
キーワード:素粒子ニュートリノ, 宇宙暗黒物質, 宇宙反物質
講師の専門分野:素粒子理論
会場:Zoom オンライン


2021年12月21日(火) [2021年度第5回数理科学談話会]
17:00 - 18:00
S進タイル張りの絶対連続回折スペクトルについて
講演者:永井 康史 氏 (信州大学全学教育機構)
タイル張りは幾何的な対象だが、数学の他の分野や物理や化学と関係がある。この談話会では、準結晶との関わりからタイル張りを研究する。この文脈では、タイル張りに対応して定まる「回折測度」の性質が重要となる。これはユークリッド空間上の正の測度だが、これをルベーグ分解した時の絶対連続部分がいつゼロになりいつゼロにならないかが問題となる。この講演では、S進タイル張りというタイル張りのクラスの一部分に対して、回折測度の絶対連続部分がゼロとなるという結果を紹介する。
会場:Zoom オンライン


2021年12月13日(月) [2021年度第4回数理科学談話会]
15:10 - 16:00
DNAを用いた個人識別
講演者:原山 雄太 氏 (長野県警察本部刑事部科学捜査研究所 法医係)
 DNAを用いた個人識別が世界で初めて行われてから30年以上経ち,現在,DNAを用いた個人識別は法科学分野において重要な役割を果たしている。PCR法をはじめ、様々な技術の発展により、DNAによる個人識別能力は向上し続けている。
 法科学分野で用いられているDNAを用いた個人識別の方法や災害などでの身元確認の方法について紹介し,これまでに行ってきた研究について紹介する。
キーワード:個人識別,DNA,遺伝学,犯罪捜査
講師の専門分野:個人識別,DNA鑑定,血液型鑑定
会場:Zoom オンライン


2021年11月30日(火) [2021年度第3回数理科学談話会]
16:50 - 18:00
4次元$Z_2$格子ゲージ理論における非可逆なトポロジカル欠陥
講演者:山口哲 氏 (大阪大)
近年、トポロジカルな欠陥の見方を用いた、対称性の概念の拡張に 関する研究が盛んに行われ、大きく発展しようとしている。その一つの方向が、 非可逆対称性である。これまで非可逆対称性は2次元の理論で主に研究され、 大きな成果を挙げてきたが、それに比べて4次元での非可逆対称性は 理解が進んでいない。今回、我々は4次元の純粋$Z_2$格子ゲージ理論における トポロジカルな欠陥を研究した。この理論は、1形式$Z_2$中心対称性と Kramers-Wannier-Wegner(KWW)双対性を持っている。我々は、Aasen, Mong, Fendley が2次元Ising模型で構成したのと同様の方法で、これらの$Z_2$対称性とKWW双対性に 対応するトポロジカルな欠陥を構成した。その結果、KWW双対性欠陥は非可逆であることが判明した。 つまり、この理論のKWW双対性は従来の意味での対称性ではないことが分かった。また、 我々はこれらのトポロジカル欠陥の間のジャンクションを構成し、それを用いて交差関係式を 導出した。これらの交差関係式を用いて、これらのトポロジカル欠陥の配位の期待値をいくつか計算した。
キーワード:非可逆対称性、トポロジカル欠陥
講師の専門分野:素粒子理論、超弦理論、場の理論
会場:Zoom オンライン


2021年11月16日(火) [2021年度第2回数理科学談話会]
17:00 - 18:00
モジュラー曲線の相対的副冪単基本群について
講演者:佐久川憲児 氏 (信州大学教育学部)
リーマン面のモジュライのエタール基本群は、有理数体の絶対ガロワ群の「巨大な」連続作用を持つ興味深い副有限群である。一方でこのガロワ表現は極めて複雑で、直接解析するのは非常に困難である。この複雑なガロワ表現から興味深い情報を取り出す一つの方法として、相対的副冪単完備化を取る、という方法がある。本講演では、相対的副冪単完備化の定義から始めて、リーマン面のモジュライの最初の興味深い例として3点抜き射影直線の場合に知られている結果を紹介する。更に、モジュラー曲線の場合に講演者が得た結果について報告する。
会場:Zoom オンライン


2021年7月20日(火) [2021年度第1回数理科学談話会]
17:00 - 18:00
大域解析学: 線形作用素のスペクトル理論とその周辺
講演者:宮西吉久 氏 (信州大)
会場:Zoomによるオンライン講演会