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信州数理科学研究センター

数理科学談話会


2018年11月29日(木)[2018第6回数理科学談話会]
16:30 - 18:00
自由超平面配置の加除定理の組み合わせ依存性
講演者:阿部 拓郎 氏 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
超平面配置とは、ベクトル空間中の超平面の有限集合であり、それが自由であるとは対応する対数的ベクトル場という代数が自由加群になる時にいう。自由配置構成において最も有用な結果は寺尾宏明氏による加除定理(1980年)であり、この定理は適用するために三つの代数的条件が必要であった。本講演ではこの定理が一つの代数的条件+一つの組合せ論的条件で適用可能であることを示す。結果として自由配置へ超平面を、自由性を保ったまま加除できるかどうかは完全 に組み合わせ論にのみ依存することが示される。
世話人:沼田泰英 (理学系)
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)


2018年10月30日(火)[2018年度第5回数理科学談話会]
15:30 - 17:00
深層学習:その進展と理論的な謎
講演者:瀧 雅人 氏 (理化学研究所)
この数年、AI技術に対し世間の注目が注がれています。漠然とAIとはいうものの、 深層学習という特定の統計的機械学習モデルが爆発的に発展したというのが実態です。 世間はまだブーム期にとどまっていますが、実際には我々の日々の生活の背後で深層学習が 活用される時期にすでに突入しています。  この講演では深層学習の基本的な仕組みを紹介した後、これまでになされてきた様々な印象的な 成果を紹介します。また、実際に深層学習のモデルが動作するところをデモンストレーションします。  深層学習の飛び抜けた性能は実験的には疑いはないのですが、「なぜ深層学習が特殊であるのか」 という問いは未だに理論的に解けていません。そこでいくつかの理論的なquestionsと、それを解決しようという 試みについても紹介します。
キーワード:機械学習・深層学習
講師の専門分野:素粒子理論・機械学習
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)
世話人:奥山和美 (理学系)


2018年7月18日(水)
16:30 - 18:00
Spectral Continuity for Aperiodic Quantum Systems
講演者:Giuseppe De Nittis 氏 (Pontificia Universidad Católica de Chile)
How does the spectrum of a Schrödinger operator vary if the corresponding geometry and dynamics change? Is it possible to define approximations of the spectrum of such operators by defining approximations of the underlying structures? In this talk a positive answer is provided using the rather general setting of groupoid C *-algebras. A characterization of the convergence of the spectra by the convergence of the underlying structures is proved. In order to do so, the concept of continuous field of groupoids is used. The approximation scheme is expressed through the tautological groupoid, which provides a sort of universal model for fields of groupoids. The use of the Hausdorff topology turns out to be fundamental in understanding why and how these approximations work. The construction presented during the talk is adapted to the case of Schrödinger operator with Delone potential (i.e. quasi-crystals).
The talk is based on a joint work with: S. Beckus and J. Bellissard
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)


2018年6月6日(水)[2018年度 第3回 数理科学談話会 (数理経済談話会 との共催)]
16:30 - 18:00
契約つき多対多マッチング問題における安定マッチングの存在について
講演者:坂東桂介 氏 (信州大学 経法学部)
ゲーム理論の一分野であるマッチング理論を紹介する。マッチング理論は、男性と女性、研修医と病院などの二つの異なる集団の間の望ましい組み合わせを見つけることを目的とする。望ましさの代表的な基準として安定マッチングがある。これは、結婚問題を例にいえば、現在の結婚相手よりもお互いに好ましいと思いあう男女ペアがいないマッチングである。本報告では契約付き多対多マッチング問題と呼ばれるモデルにおける安定マッチングの新たな存在条件を紹介する。
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)


2018年5月14日(月)[2018年度 第2回 数理科学談話会]
16:20 - 17:50
複雑なグラフの上のランダムウォークの諸性質について
講演者:岡村和樹 氏 (信州大学 全学教育機構)
複雑な空間の上の確率過程の研究の元来の動機は, ポリマーなどの不均質な媒質の上の熱拡散の様子を数学的に厳密に解明することにあった. 複雑なグラフの典型例としてパーコレーションの無限クラスターがある. その上のランダムウォークは「迷路の中のアリ」と呼ばれる複雑な対象であるが, Sierpinskiガスケットなどのフラクタル上での確率過程の研究で培われた手法を適用することで近年進展している. 本講演では,
(1) 無限連結グラフ上のランダムウォークのある時刻までの訪問点の個数に対する大数の法則
(2) 相関を持つパーコレーションの無限クラスター上のランダムウォークの, 素朴なものより高いレベルの(プロセスの経験分布に対する)大偏差原理を中心に話す.
世話人:筒井容平
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)


2018年5月11日(金)[2018年度 第1回 数理科学談話会]
16:30 - 18:00
ブール束について
講演者:渡辺純三 氏 (東海大学名誉教授)
ブール束は、現代数学の基本概念の一つである。これが数学の色々な分野に登場しその役目を果たす。また、それ自体が興味深い研究対象となる。この談話会では、ブール束の様々の側面を紹介し、今までに知られている基本定理と、その歴史、また、それに関連した話題を紹介したい。
キーワード:Sperner Theory, Lefschetz property, Dilworth Theorem, Marriage Theorem, Lie algebra sl(2), 対称群とその表現、終結式
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)


2017年12月22日(金)[第10回数理科学談話会]
16:30 - 18:00
細胞キラリティ:その発見と機能
講演者:松野 健治 氏 (大阪大学理学研究科・教授)
生体高分子のほとんどがキラリティ(鏡像がもとの像と重ならない性質)をもつにも関わらず、細胞がキラリティ(細胞キラリティ)を示す可能についてはあまり考慮されてこなかった。我々は、ショウジョウバエの細胞が、細胞キラリティを示すことを明らかにした。細胞キラリティは、ショウジョウバエ胚の器官を左右非対称化する。脊椎動物においても細胞キラリティが発見され、その普遍性に関心が集まっていることから、細胞キラリティ研究の今後の展望も含めて議論する。
世話人:浅見崇比呂 (理学系)
キーワード:キラリティ、左右非対称性、形態形成
講師の専門分野:発生生物学、細胞生物学
会場:数理・自然情報合同研究室 (理学部A棟4F西端)


2017年12月15日(火)[第8回数理科学談話会]
13:00 - 14:30
男性~有性生殖がもたらす非効率とそれゆえに生じる多様性~
講演者:小林 和也 氏 (京都大学)
生物は厳しい自然環境にさらされることで洗練され効率化が進んだ自己増殖システムである。にもかかわらず、一見なんの差もない環境に多様な生物が共存していたり、一見無駄としか思えない性質を保持していたりする。もし自然選択が最も効率よく増殖するシステムを選抜しているのなら、その場所に最適化したごく少数の生物だけが生息する環境になるのではないだろうか?今回、自然界に普遍的にみられる有性生殖という一見無駄としか思えない繁殖システムが生物の多様性を維持している可能性についてシミュレーションモデルと数理モデルで示す。この結果を踏まえて生物多様性の創出メカニズムについて議論したい。
世話人:浅見崇比呂 (理学系)
キーワード:性、繁殖、効率、進化
講師の専門分野:進化生態学
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年12月8日(金)[第7回数理科学談話会]
16:30 - 18:00
Ideals generated by products of linear forms and the Lefschetz property
講演者:和地 輝仁 氏 (北海道教育大学)
Lefschetz性とは、非特異多様体のコホモロジー環がHard Lefschetz定理により満たす性質を可換環論に持ち込んだものである。まずLefschetz性を持つ環の例を見たり、基本的な性質を述べる。次に、Lefschetz性に関する大きな予想に、多項式環を完全交叉イデアルで割って得られるアルチン次数環はLefschetz性を持つというものがある。後半では、この予想の肯定的な結果を最近のものも含めて紹介する。
世話人:沼田 泰英 (理学系)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年12月5日(火)[第9回数理科学談話会]
13:00 - 14:00
情報化学・計算化学の紹介と実例:タンパク−リガンド複合体の芳香性クラスターの探索
講演者:山﨑 広之 氏 (北里大学薬学部 助教)
情報化学・計算化学では化学構造を数値や文字情報として取り扱う必要があった。本講演では、はじめにどのようにして化学構造を取り扱ってきたから始め、最後に化学構造情報を解析する一例として、タンパク−リガンド複合体の芳香性クラスターの探索を行った研究例を紹介する。本研究では、計算機による解析を行うことでタンパク質−リガンド複合体をまたぐように3個以上の芳香環からなる芳香性クラスターが形成されていることを確認することができた。本講演を通して情報化学・計算化学に触れ、興味を持ってもらえると幸いである。
世話人:浜崎亜富・内田太郎 (理学系)
キーワード:情報化学、計算化学、タンパク質–リガンド相互作用
講師の研究分野(研究テーマ):ケモインフォマティクス、薬学教育
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年11月22日(水)[第6回数理科学談話会]
16:30 - 18:00
サイクリックステップと火星北極冠スパイラルトラフのアナログ実験
講演者:横川 美和 氏 (大阪工業大学)
川底や海底の砂床に流れが作用すると,流れの強さに応じてさまざまな砂床形 (ベッドフォーム)が形成される.サイクリックステップは流速が大きな流れが作用した時に生じるベッドフォームで,跳水に区切られた周期的なステップが上流側に移動する.サイクリックステップは砂床だけでなく,粘着質の土壌や岩盤,そして氷など,さまざまな底質に発達することがわかってきた.一方,火星北極冠の表面には「スパイラルトラフ」と呼ばれる螺旋状の溝があることが知られており,近年,それは氷上にできたサイクリックステップであろうと考えられている.本講演では,(1)さまざまな底質に形成されるサイクリックステップ,(2)火星北極冠のスパイラルトラフ,そして(3)筆者らが行った流体―氷境界での界面波形成のアナログ実験を紹介する.
世話人:村越 直美 (理学系)
キーワード:サイクリックステップ, ベッドフォーム, 火星北極冠, スパイラルトラフ, 水路実験
講師の研究分野(研究テーマ):地質学・堆積学(さまざまなベッドフォームの安定領域と形態・堆積構造に関する水路実験)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年11月13日(月)[第5回数理科学談話会]
16:30 - 18:00
3次元リーマン多様体の局所等長埋め込み
講演者:橋永 貴弘 氏 (北九州工業高等専門学校)
任意のリーマン多様体は十分大きな次元のユークリッド空間に局所的あるは大域的に等長にはめ込める(埋め込める)ことが知られている.しかしながらユークリッド空間の次元が小さくなると, 一般には等長に埋め込むことはできず, 等長埋め込み可能性を判定することも困難である. 本講演ではリーマン多様体の局所等長埋め込みに関して, 初歩的な部分から解説するとともに, 最近得られた結果について紹介する. 特に, 曲率に関するあるgeneric な仮定の下で, 3次元リーマン多様体が4次元ユークリッド空間へ局所等長埋め込み可能であるための内在的な量による必要十分条件を紹介する. 尚本講演の内容は広島大学の阿賀岡芳夫氏との共同研究に基づく.
世話人:沼田 泰英 (理学系)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年11月1日(木)[第4回数理科学談話会]
16:30 - 17:30
量子Schubert calculusの最近の話題
講演者:前野 俊昭 氏 (名城大学)
Schubert calculusは等質空間上の交叉理論の組合せ的研究であり,量子Schubert calculusはそれを量子コホモロジー環の枠組みにおいて行うものである.この講演では,A型旗多様体の量子Schubert calculusに関わる量子Schubert多項式,量子Grothendieck多項式の話題を中心に比較的最近の話題も含めて紹介したい.
世話人:沼田 泰英 (理学系)
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年10月31日(火)
15:30 - 17:00
量子可積分系と弦理論の幾何学
講演者:初田 泰之 氏 (立教大学)
戸田格子を含む一連の量子可積分系が、弦理論および超対称ゲージ理論と興味深い関係を持つことを紹介したい。この関係の帰結として、可積分系の固有値問題が(トポロジカルな)弦理論の幾何学的不変量によって決定される。弦理論の言葉では、固有値を決定する方程式(量子化条件)は、模型に依らずほぼ普遍的な形で書くことが出来る。
世話人:奥山 和美 (理学系)
キーワード:位相的弦理論、可積分系
講師の研究分野(研究テーマ):素粒子理論
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年10月16日(月)
14:40 - 16:10
Wirtingerの不等式の変種と非線形スペクトルギャップ
講演者:近藤剛史 氏 (鹿児島大学)
非線形スペクトルギャップは有限グラフと距離空間のペアに対して定義され、幾何学的群論、距離空間の幾何学の様々な場面で現れるが、その値を厳密に求めることは非常に難しく、Pansuによるサイクルでの計算がほとんど唯一の計算例であった。ここで用いられたGromovによるCAT(0)空間に対するWirtingerの不等式の証明を見直し、その変種を作ることで、近年、様々な計算例が得られつつある。講演では、非線形スペクトルギャップの研究の背景から始めて、Wirtingerの不等式の変種とは何か、そこから何が分かってきたのかについてお話ししたい。
世話人:沼田 泰英 (理学系)
講師の研究分野(研究テーマ):離散群論
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)


2017年6月27日(火)
16:30 - 18:00
デリバティブのモデルに依存しない優複製について
講演者:都築幸宏 氏 (信州大学経法学部)
デリバティブの価格付けやヘッジは、ブラックショールズ・モデルなどモデルを仮定して行うことが多いが、モデルを使わない優複製、劣複製とそれらから導かれる価格の上下限値についての研究を紹介する。特に、2つのone-touch optionの価格が同時に取りうる範囲について解説する。
会場:数理・自然情報合同研究室(理学部A棟4F西端)